漢方小説第4話『あんたの体質、冷えやな』 冬の朝。こつめ少年はマフラーに顔をうずめ、指先をこすりながら薬棚の隅で丸くなっていた。「さぶ…さぶすぎる……」火鉢に手を伸ばしても、足の先からはじんわり冷えが上がってくる。湯気の立つ薬湯がそばにあるのに、いまいち身体はあったまらない。それを... 2025.06.07漢方小説
漢方小説第1話『カゼと、おばあちゃんと、あの薬』 こつめ先生が漢方と出会う運命の1日・・・こつめ先生がまだ“先生”ではなかった頃。名前もただの「こつめ」。どこにでもいる、風邪ばっかりひいてる小さなカワウソでした。「また熱かいな…あんた、ほんま身体よわっちいなぁ。」そう言いながら、優しく背中... 2025.05.17漢方小説
漢方小説プロローグ『薬棚のむこうに広がる世界』 森のはずれ、小さな薬棚の奥に――不思議な世界が広がっていた。木の実のような薬、枯れ葉のような薬、石ころみたいな薬。それらが組み合わさると、なぜか心も身体もふっと軽くなる。漢方というのは、なんだか“魔法”のようで、“理屈”のようで、そしてとて... 2025.05.10漢方小説