漢方小説第12話『道に迷う日、心に迷う日』 大学の講義室。周りの席からは「国家試験」「内定」「研修」…そんな単語ばかりが飛び交っていた。みんな、もう“どこで何をするか”を決めているようやった。ぼくはノートの端に、また薬草の名前を書いていた。シャクヤク、カンゾウ、ケイヒ…。授業内容とは... 2025.08.09漢方小説
漢方小説第9話『“漢方家”ってどんなひと?』 「こつめ、ちょっとこっち来て手ぇ貸して。」店の奥で、おばあちゃんが漢方棚の引き出しを一つずつ開けながら、何かを探していた。「今日はな、昔のお客さんが久しぶりに来はるんよ。ちょっと特別な調合や。」ここは、大阪の下町にある小さな薬店──『漢方の... 2025.07.13漢方小説