漢方ストーリー

漢方小説

第21話『迷いの灯 ―成人期の幕開け―』

守口に戻ったこつめ青年を待っていたのは、荒れ果てたおばあちゃんの家と土地の立ち退き問題。必要資金1000万円に対し集まったのはわずか500万円。明日が最終決定日という極限の状況の中、揺れる“迷いの灯”が描かれる感動の第21話。
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第20話『別れの処方箋 ―師弟の約束―』

京都での修行を終えようとするこつめ青年に届いた突然の知らせ。亡きおばあちゃんの店が立ち退きの危機に。師匠との最後の言葉—「こつめ君への処方箋や」—を胸に、こつめは守口への道を選ぶ。静かに涙を誘う青年期最終章。
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第19話『黒豹の眼差し ―瘀血の学び―』

京都の薬局を訪れた女性・柊ゆき。舌に浮かぶ紫の影が、体と心の滞りを映し出す。師匠が差し出したのは田七人参――血の巡りを整える薬。静かな午後、こつめ青年の心に“黒豹の眼差し”が残る。
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第18話『ひとりで立つ日 ―陽虚の学び―』

初めて師匠から店を任されたこつめ青年。冷えに悩む老婦人との出会いを通して、陽虚の本質を学ぶ。人参湯の処方が導いたのは、“火を足す”のではなく“燃やす力を取り戻す”という漢方の真意だった――。
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第17話『窓辺の京都から ―陰虚の学び―』

京都の薬局で修行を重ねるこつめ青年。頬のほてりと喉の渇きを訴える女性との出会いを通じ、陰虚の本質を師匠から学ぶ。麦門冬湯の処方が導いたのは、体だけでなく心を潤すという漢方の真髄だった――。
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第16話『修行の日々 ―気虚の学び―』

京都での修行が始まったこつめ青年。師匠の穏やかな眼差しのもと、初めて出会った「気虚」の患者。補中益気湯の処方を通じて、“風船のような脈”が示す心と体の虚を学ぶ――。漢方家としての第一歩を描く第16話。
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第15話『転職の決意』

「こつめ君、今月の数字、まだ目標に届いてないぞ」営業所の会議室。グラフと数字を並べた資料を前に、上司の声が響いた。「抗生物質は横ばいや。もっと処方を取れるように働きかけんと」言葉は理解できても、胸の奥は冷えていくばかりだった。患者の声は聞こ...
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第14話『数字の向こうに』

営業所に戻ると、机の上には報告書の山が待っていた。今日訪問した病院名、担当医、面談時間、そして――処方数。パソコンの画面には棒グラフが並び、赤い線が「目標」を示している。「ここを越えんと、評価はされへんぞ」先輩がコーヒーを片手に言う。「患者...
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第12話『道に迷う日、心に迷う日』

大学の講義室。周りの席からは「国家試験」「内定」「研修」…そんな単語ばかりが飛び交っていた。みんな、もう“どこで何をするか”を決めているようやった。ぼくはノートの端に、また薬草の名前を書いていた。シャクヤク、カンゾウ、ケイヒ…。授業内容とは...
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第11話『バイクで走る風の中で』

梅田のネオンが、まだ青白く瞬く夜明け前。バイクのエンジンをかけると、冬の空気が肺の奥まで刺さった。守口から天満橋、北浜へ。ビルの間を抜ける風が、目を覚まさせる。大学進学を目前に、胸はまだ定まらないままやった。友達は夢や資格の話で盛り上がって...