漢方小説第10話『さよなら、おばあちゃん』 「こつめ、ちょっと来てくれるか?」そう言われて、ぼくは薬棚の整理を途中でやめた。いつもの声。いつもの調子。でも、何かが違った。縁側に、おばあちゃんが座っていた。畳に映る影が、いつもより細くて、頼りない。「こつめ。あんた、よう手ぇ動かすように... 2025.07.26漢方小説